めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲64 大国主命㉙ ~ 小さな小さな神様 その3 スクナヒコナのご神徳の考察 編 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。

今年は三連休が多いそうですね!
年末年始のお休みの後の3連休
お正月よりのんびりしている私です。
太りそうです・・・

さてさて。
スクナヒコナ編、2020年10月に
当時連載させて頂いていた読み物、
「新コスメにまつわる神話や風土の話」で
五回に渡りご紹介させて頂きました。
この読み物「古事記と出雲」で重複する所が
多々あると思うのですがご容赦ください。

さて、今一度スクナヒコナのご神徳を
確認したいと思います。挙げられるのは
医薬・温泉・まじない・穀物・知識・酒造
石の神などなどです。(Wikipediaより)

最初の3つ「医薬」「温泉」「まじない」は
重なるご神徳に思えます。
「医薬」は「医療」に繋がります。
では「温泉」は?
出雲国風土記には4つの温泉が記され
そのうちの2つの温泉に名称があります。
現在の玉造温泉が「神の湯」。
そして湯村温泉が「薬湯」です。


(玉造温泉湯薬師広場の汲み湯)


玉造温泉街奥の信号付近の薬師堂前にある
「元湯跡」のプレート。


むかし地元の男が白鹿を追って山に入り、
玉造温泉を発見したとの故事から
勾玉と鹿がデザインされています。



湯村温泉の「野湯」。
隣に斐伊川が流れています。

名前の由来に共通する項目があり
どちらの温泉も「再び浴びればどんな病気も
必ず治り、効かなかった事が無い」と
表現に多少違いはありますが、
同じ様な事が書かれています。
温泉は「治療」であり、医療に繋がる事が
「病気が治る」という表現から解ります。

一般社団法人 温泉協会のHPには
「温泉の歴史(古代)」と題し
奈良・平安時代の温泉の事が書かれています。

その中では
温泉には様々な成分が含まれていて、
入浴すると病気が良くなったりしたことから
非常に神聖なものとして崇められていた
と言うことが出来ると思われます。
と書かれています。
神様の恩恵を感じたのでしょうね。

そして「まじない」。
当時の医療はこの「まじない」に関わる所が
多くあったと想像出来ます。
現代でも「呪医」や「シャーマンドクター」
といった言葉があるように、南米などでは
未だに呪術的な医療が行われている様です。

オオクニヌシは稲羽の素兎の場面で
正しい医療の知識を持った神と説明されたと
私は考えています。
スクナヒコナも医療、医術に長けた神様と
いうことではないでしょうか。

御神徳から察するに
この二神の国作りの一端は、

医療の普及といった事が言えるのでは
ないかと想像します。

それでは両温泉にまつわる神社のご紹介を。

まずは玉造温泉ですが
玉造温泉と言えば、言わずもがな
「玉作湯神社」ですね(^^)b
松江市玉湯町玉造508。

社殿向かって右にある願い石叶い石で
ご存知かと思います「真玉」の背後に
石碑があります。

そこには「大己貴命 湯山主之大神」とあり
大己貴命 (オオナムチのみこと)」は
オオクニヌシの別名、「湯山主」は
背後の山、「湯山」にいらっしゃる主の
意味で、オオクニヌシが玉造の温泉を
湧き出させているといった事を表します。

境内奥には山を神聖視し
遥拝する場所に石碑が建っています。

そして湯村温泉に関わる神社はこちら。
温泉神社 雲南市木次町湯村1060。

こちらの神社の御祭神は13柱。大所帯です。
というのも3つの神社が合祀されたようです。
湯村温泉に関わる神社も
こちらに合祀されたそうです。
その神社は「漆仁(しつに)神社」。
明治の頃まではは先程の「野湯」の背後の山
「湯船山」山頂にありました。

祭神はオオナムチとスクナヒコナ。
玉作湯神社と同じご祭神ですね。
江戸時代の「出雲神社巡拝記」には
『湯布称大明神』(ゆぶねだいみょうじん)
と称されています。

雲南市の市役所に尋ねたことがあるのですが
山頂に神社の跡があるかどうかは
わからないと言われました。
山頂を散策して見たいと
以前から思っていますが未だ叶わず。
湯船山に登りましたらご紹介しますね!

 

本日もお付き合いくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

 

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