めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲㉛ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その17 須我神社 ~

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みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。

前回は大蛇退治の後、
喜びのあまりスサノヲが舞を舞った
ですとか
髪に刺した木の枝が
巨木となったと伝わる
佐世神社をご紹介しました。

さてさて。
今回は古事記のストーリーを
改めて書いておきます。
筋が見えなくなってしまってましたら
青文字の部分をお読みくださいね。
ストーリーがバッチリの方は
飛ばしてください。

「濃い酒(やしおりの酒)を醸し
垣根を作れ。垣根には八つの門を作り
門ごとに台を置き、
台ごとに八つの酒船(酒槽)を置き
酒船ごとに醸した濃い酒を満たし
そして事が成るのを待つのだ!」と
クシナダの御親神、アシナヅチ、
テナヅチに指示します。

準備が整い、スサノヲは
オロチがやってくるのを
待ちました。

するとアシナヅチ、テナヅチの言う通り
ヤマタノオロチがやって来ました。

オロチは酒船毎にその頭を突っ込み
やしおりの酒を飲んでいきます。
やがてオロチは酔いつぶれ、
動かなくなってしまいました。

この時とばかりにスサノヲは長剣を抜き、
オロチを切り刻みます。
斐伊川の流れは血で真っ赤に染まりました。

そしてスサノヲがその尾の1本を切った時
剣の刃が欠けたのです。

「どういうことだ!?」と
訝しく思ったスサノヲは剣の先を尾に刺し
切り裂いてみると
「つむがりの大刀」がありました。
(良く切れる剣、または頭を切る剣など
 諸説あるようです。)

スサノヲはこの大刀は不思議なものだと思い
私が持つものではない

姉神アマテラスに
事情を話し献上しました。

クシナダを娶ったスサノヲは
住まいであるお宮を作るため

出雲の国にその場所を探しました。
須賀の地に来た時に
「ここに来て私の心は清々しくなった。」と
言われました。それでその地を
「須賀」と言うようになりました。
(現在の雲南市大東町須賀といわれています)

スサノヲが須賀の地にお宮を建てた時
雲が湧き立つのが見えました。
それを観たスサノヲは歌を詠みました。
「八雲立つ 出雲八重垣妻ごみに
                八重垣作る その八重垣を」
(幾つもの雲が湧き立っている
 妻を籠もらせる八重の垣根のようだ
 そう、幾重にも見える垣根のようだ)

そしてクシナダの父神アシナヅチを
建てたお宮の首長(おさ)に任命しました

と、ヤマタノロチ退治の終焉を迎えます。
その後古事記にはスサノヲの家系図が書かれ

いよいよオオクニヌシの登場となりますが
それはこの次の機会に。

さて。
今回ご紹介する神社はこちら。
須我神社 雲南市大東町須賀260。

2016年3月撮影。拝殿を撮り忘れました(>_<)


こちらの写真は最近です(^^;)

本殿の前後に太陽と月の
立派な彫刻がありますので
お見逃し無く!

ご祭神はスサノヲとその妻クシナダ。
そして御子神の・・・長いですよ(^^;)
スガノユヤマヌシミナサロヒコヤシマの命。
(清之湯山主三名狹漏彦八嶋野命)
日本書記に書かれているお名前ですね。
スサノヲとクシナダの長男です。
古事記にはヤシマジヌミと
書かれています。


スサノヲがクシナダと住まう宮を建てたと
古事記にあり、文献上初という事でしょうか

「日本初之宮」と呼ばれています。
また、五七五七七の31文字の和歌を
詠んだことから「和歌発祥の地」とも。

ストーリーでも紹介した和歌が刻まれています。


鳥居の所にマスク(^ロ^)
スサノヲは「茅の輪」由来の伝承があり
疫病退散ということでしょう。

クシナダの親神、アシナヅチはお宮の
首長に据えられた訳ですので
本殿に祀られているかと思いきや
こちらにはいらっしゃいません。
本殿の後方の高い所にいらっしゃいます。

境内右奥の鳥居から「御祖神社」へ。

竹林をぬけると・・・

クシナダの御親神、
アシナヅチ、テナヅチが
祀られています。

そして、須我神社で欠かせないのは奥宮。
境内から2㎞先にある八雲山、
または御室山といわれる
中腹にある
磐座(いわくら。神様が宿る岩)です。

 取材に行った時は平日だったのですが
車が駐車場に4台停めてありました。
そのうちの一組は80代位のおじいちゃんと
お孫さんでしょうか!?
祈願の御札を納めに来たお嬢さんと
お二人でいらしゃってました。
安産祈願の御札を納めにこられる
参拝者が多いようです。

三体の磐座は奥の大きいのがスサノヲ。
向かって左はクシナダ、そして
右の一番小さい岩座は長男の
スガノユヤマヌシミナサロヒコヤシマ
なのです。
長い名前の由来は鳥居脇の池にあります。

今は蓮が群生しているので
「蓮池」と呼ばれていますが
この池は以前は温泉でした。

出雲國風土記に掲載のある
4つの温泉の一つなのです。

御子神の名前の「ユヤマヌシ」は
「温泉を湧かせている山の神様」と

読み取ることが出来ます。

「須賀と言う土地の温泉の山の主」
「須賀の湯山主」という事です。

玉造温泉ではオオクニヌシが玉作湯神社に
湯山主オオナムチ(オオクニヌシの別名)で
温泉の神様として祀られています。

こちらはスサノヲの長男が
湯山主として祀られている様です。
2㎞先から?と思うかも知れませんが

先程の山は登山口から直ぐに
水が湧き出ていて「神泉坂根水」と
書かれていました。
水が湧き出る延長に温泉が湧き出る
という事なんだと想像します。

というのも前出の玉作湯神社も
境内には水が湧いているからです。

湧き水には「禊場」ともありますので
登拝前にここで手水を使いましょう。

山の名前は「御室山」とも言われている
ということは、初之宮はもしかしたら
こちらの山に建てられたかもしれませんね。

山自体は登ると30分ほどかかりますが
磐座までは10分弱で行くことが出来ました。
天気に恵まれると山頂から大山が見えます。

この日は春霞の向こうに
雪が薄くなった大山が見えました。

本日はオロチ退治の後、
住まうお宮を建てた、また
その際に和歌を詠んだ伝承のある
須我神社をご紹介しました。

最後に、戴いた御朱印を。


(初穂料300円)
最近は水彩画付きの御朱印が出来たそうです。
下記の他にもう一種類ありました。
奥宮の御朱印は無いのですが
まるでその様に見えるのでこちらも
戴いてきました。

初穂料500円

 

お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。

 

過去のブログは下記からどうぞ。

古事記と出雲① ~黄泉の国譚 比婆山その1~

古事記と出雲② ~黄泉の国譚 比婆山その2~

古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~

古事記と出雲④ ~黄泉の國譚 黄泉の穴~

古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~

古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~

古事記と出雲⑦ ~禊と三貴子の誕生 その1~

古事記と出雲⑧ ~禊と三貴子の誕生 その2~

古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~

古事記と出雲⑩ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放~

古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~

古事記と出雲⑫ ~スサノヲの降臨 追放されたスサノヲ~

古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~

古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~

古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~

古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~

古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~

古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~

古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~

古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山

古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~

古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~

古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~

古事記と出雲㉔ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~

古事記と出雲㉕ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その12 ちょっと寄り道 クシナダ姫 ~

古事記と出雲㉖ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その13 長者の福竹・大森神社~

古事記と出雲㉗ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その14 大野津神社と雨乞の神事~

古事記と出雲㉘ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その15 雲根神社~

古事記と出雲㉙   ~ 黄泉の国譚再び チガエシノオオカミ ~

古事記と出雲㉚ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その16 佐世神社 ~

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