みなさまこんにちは。
オンラインショップの朝倉です。
ブログを更新しました。
しばしお付き合いください。
前回はヤマタノオロチの荒魂
(あらみたま→荒ぶる魂)を祀る
雲根神社をご紹介しました。
そして「ヤマタノオロチ編も終盤」と
書かせて戴きました。ですが、
今回「黄泉の国譚再び」と題しているのは
決して間違いではありません(>_<)
ちょっと時を戻してください。
というのも、珍しい神様を祀る神社が
ありましたので、順番がイレギュラーですが
本日ご紹介したいと思います。
順番としては「古事記と出雲③」の
次の回当たりに相当します。
かなり戻りますね。
その神様は題名にもあった
「チガエシノオオカミ(道反之大神)」です。
古事記のストーリーを簡単に振り返ります。
イザナキ♂とイザナミ♀の二神の神産みの
お話まで遡ります。
火の神を産んだ時の火傷が元で
命を落としたイザナミ♀。
黄泉の国へ旅立ってしまいました。
イザナキ♂は思い立って
黄泉の国へとイザナミ♀を迎えに行きます。
黄泉の国の入り口でイザナミ♀に戻って
ほしい旨を伝えますが、イザナミ♀は
黄泉の国の食べ物を口にした事を理由に
戻れないとイザナキ♂に言います。
ですが黄泉の国の神に相談すると
一旦戻って行きます。
中々戻ってこないので
しびれを切らしたイザナキ♂は
黄泉の国へ入って行ってしまいます。
そこで目にしたのは体のアチコチから
ウジが湧き体から八柱の雷神が生まれ
変わり果てたイザナミ♀の姿でした。
その姿を見て恐ろしくなったイザナキ♂。
逃げ帰ろうとするとイザナミ♀は
「私に恥をかかせましたね!」と
黄泉の国の軍団や八柱の雷神に
イザナキ♂を追わせます。
なんとか黄泉の入り口まで逃げ戻ったイザナキ♂。
千引岩(ちびきのいわ=千人力で持てる岩)で
黄泉の国の入り口を塞ぎます・・・・
と、この後二神は別れを迎えます。
詳しくはその回のブログを。
古事記と出雲③ ~黄泉の國譚 黄泉比良坂~
その時の千引岩を「チカガエシノオオカミ」、
または「サヤリマスヨミドノオオカミ」という
(塞坐黄泉戸大神→黄泉の入り口を
塞いでいらっしゃる神)と古事記にはあります。
巨石が神格化されたのでしょう。
そのチガエシノオオカミを祀る神社がこちら。
生馬神社(いくまじんじゃ)。
松江市西生馬町320。
生馬神社は2社あり、ご祭神が異なります。
こちらは「西生馬神社」または
「大岩大明神」といわれています。
鳥居を潜ったすぐ脇に巨石があるので
こちらが由来かなと思いましたら違う様です。
この巨石は上部に窪みがあり、
その窪みに油を入れ、
秋の例祭に火を灯したそうです。
この巨石の手前は以前は生活道路だったとか。
※ここまでは全て2020年11月撮影。
矢印の様に道があったと想像します。
道を塞ぐようにあった巨石に
神話の千引岩、チガエシノオオカミが
投影されたのではないでしょうか!?
集落の皆さんはこの磐座に
豊作や家内安全などを祈り、
1960年代までは古くなったひな人形を
岩の上に納めた、と「石神さんを訪ねて」
(山陰中央新報社 刊)に記載があります。
拝殿が新しくなった事から
今でも氏子の皆さんの厚い信仰が
計り知れます。
5年前に参拝した時より
境内が整えられていました。
2016年3月撮影。入り口の巨石の足元に
排水の溝がありません。
同じく2016年3月撮影。
磐座の上の枯れた木の根や
手前にも木の根が残っています。
現在は撤去されていますね。
ご無沙汰でしているうちに
整備されていた様です。
また参拝しなきゃと思いました。
そしてチガエシノオオカミを祀る神社は
他にもありました。
日御碕神社 境内社の十九社。
※2019年11月撮影。
日御碕神社も神在祭を斎行されますので
十九社といえば出雲大社のように
八百万の神々がお泊りになる
お社かと思われがちですが
そうでは無いようです。
摂社・末社、数えてみると19社。
お社の数が19社ある事が社名の
由来のようです。
十九のお社の中に
「末社 坂戸社 道返大神」の文字があります。
坂戸の「戸」は「入り口」と考えれば
「坂」は黄泉の国の入り口「黄泉比良坂
(よもつひらさか)」の事でしょうか。
この神社の由来は解りませんが、
巨石の神社が他にもあったかもしれない、と
想像が掻き立てられます。
本日はチガエシノオオカミを祀る神社を
ご紹介させていただきました。
また思い出したように
「再び」編が入るかもしれません(^^;)
お付き合いくださって
ありがとうございます。
本日はこの辺で。
またの機会に。
ご自愛くださいますように。
過去のブログは下記からどうぞ。
古事記と出雲⑤ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その1~
古事記と出雲⑥ ~黄泉の國譚 出雲以外のイザナミ御陵 その2~
古事記と出雲⑨ ~天岩戸隠れ アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)~
古事記と出雲⑪ ~天の岩戸隠れ スサノヲの追放 三種の神器~
古事記と出雲⑬ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その1 箸拾いの地~
古事記と出雲⑭ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その2 ヤマタノオロチとは?~
古事記と出雲⑮ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その3 伝承地「八頭」~
古事記と出雲⑯ ~スサノヲの降臨 八岐大蛇退治その4 八塩折の酒~
古事記と出雲⑰ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その5 佐久佐女の森~
古事記と出雲⑱ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その6 酒船?酒壷?~
古事記と出雲⑲ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その7 雨叢雲剣出顕の地~
古事記と出雲⑳ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その8 船通山~
古事記と出雲㉑ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治 ちょっと寄り道 五十猛尊~
古事記と出雲㉒ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その9 岩伏山~
古事記と出雲㉓ スサノヲの降臨 ~八岐大蛇退治その10 八本杉~
古事記と出雲㉔ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その11 尾呂地神社 ~
古事記と出雲㉕ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その12 ちょっと寄り道 クシナダ姫 ~
古事記と出雲㉖ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その13 長者の福竹・大森神社~
古事記と出雲㉗ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その14 大野津神社と雨乞の神事~
古事記と出雲㉘ スサノヲの降臨 ~ 八岐大蛇退治その15 雲根神社~