みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。
読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。
前回はオオクニヌシの
新たな国作りのパートナー、
オオモノヌシ登場の場面と縁の大神神社を
ご紹介しました。
今回もオオモノヌシを祀る神社を紹介します。
まずはコチラの写真を。
出雲大社を参拝されたことがある方は
ご存知だと思います。
「ムスビの御神像」です。
銅鳥居の手前、手水舎の向かい側にある
銅像ですね。
向こうに見える波の上の金色の丸い物体が
幸魂奇魂というわけです。これ。
この像がオオモノヌシ登場の場面の
シーンを表したもの。
像の前の案内板には
「出雲大社の御祭神大國主大神は
この幸魂奇魂をいただいて神性を
養われ「ムスビの大神」となられました。
生きとし生けるものすべてが
幸福になる「縁」を結ぶ”縁結びの神”と
慕われるゆえんであります。
と書かれています。
出雲大社の解釈でしょうか?
むむむ(゜~゜;) 理解するのが難しい。
「神性を養う」・・・・
オオモノヌシを「国作りのパートナー」と
位置付けましたが、オオクニヌシに
足りなかった部分を補った魂なのかも、と
思えてきました。
案内板の表記が「ムスビ」と
敢えてカタカナなのは
「結(ムスビ)」と「産巣日(ムスビ)」を
掛けているのかもしれません。
「ムスビ(ヒ)」は古事記の二番目三番目に
現れる神さまの名前の中に含まれていて、
「生成(むす) 霊(ひ)」の意味で、
万物を産み出すという事です。
国歌「君が代」の
『苔の~むうぅすうぅ まあああでぇ~♬」の
「苔のムスまで」の「ムス」も
「苔が生えるまで」の意味です。
「ムスビの神」とは繋がりをもたらす神であり
生成する神でもあるという事の様に思えます。
さて。
この読み物では前回ご紹介した様に
本居宣長の説にある、
魂には大きく荒魂と和魂の2種があり、
和魂にはさらに幸魂と奇魂の働きがある
としており、四魂としてまとめて
みるようなことはしていない。
という、この考えで
話を進めて行こうと思います。
さらに、日本書紀では「オオモノヌシ」は
「オオクニヌシ」の『別名』とありますが
古事記にある、オオモノヌシ=幸魂奇魂
(さちみたまくしみたま)=和魂
(にぎみたま→穏やかな魂)と考えていきます。
さあ!
オオモノヌシを祀る神社といえば
そう「金毘羅さん」「金比羅さん」と呼ばれる
全国にある「金刀比羅宮」でしょう!
その総本社は讃岐にあります。
金刀比羅宮 香川県仲多度郡琴平町892-1
石段で有名ですね。
金毘羅船々 追い手に帆かけて♪
シュラシュシュシュ♬
で有名な、あのこんぴらさんです。
ご存知無いですかね ? /(^^;)
動揺かと思ったら民謡でした。
お座敷遊びの歌で広まったとWikipediaに
ありますね。
海上交通の守神として有名な神さまです。
エビスさんや宗像三女神と並び、
港や海に近い場所で目にする神様です。
以前、とある神社の宮司さんに
教えて頂いたのですが、
金刀比羅宮の大半はお寺さんが建立した
神仏習合の神社が多いそうです。
先程のWikipediaにも讃岐の金刀比羅宮は
明治初年の神仏分離以前は金毘羅大権現と称し
とあり、習合色がバッチリ出ています。
では なぜこんぴらさんに
オオモノヌシが祀られているのでしょうか??
金刀比羅宮のHPによると
国土経営の際に、金刀比羅宮のある山
「象頭山」にお宮を建立した。
その宮跡にオオモノヌシを祀った(意訳)
とあります。
出雲大社にもその社殿があります。
神楽殿の境内、大駐車場側の
祓戸社の向かって左、船に乗った兎と犬の
石像のある社殿が「金刀比羅宮」です。
そして寄贈された石像。兎と犬。
ずっっと、見た目で猫だと思ってましたが
「こんぴら狗(いぬ)」にちなみ、
金毘羅さんの船、オオクニヌシの兎とを
合わせたモチーフで寄贈されたそうです。
よく見ると、犬と兎は袋を背負っています。
大黒さんにあやかってですかね(^^)b
「こんぴら狗」については金刀比羅宮のHPに
説明がありました。
行けない人や途中行けなくなった人の代わりに
参拝することを「代参」というそうです。
江戸時代などは歩いていくしか無く、
遠国からの参拝を諦める人もいて、初穂料や
旅費を渡し、代参してもらう事も
あったのだそうです。
代参は人だけでは無く、
「飼い犬」に託したりもしたそうです。
犬の首に「こんぴら参り」と書いた袋を下げ
袋には、飼い主を記した木札、初穂料、
道中の食費などが入っていました。
旅人から旅人へ、リレーの様に託された犬は
こんぴらさんで御札を戴き、
また、帰路を人から人へ連れられ帰って
いったのだそうです。
見事、お役目を果たした犬は「こんぴら狗」と
呼ばれたのだとか(^^)
嘘みたいなホントの話です。
かと思えば、海の男で参拝が叶わない
といった場合、願いを込めた樽を海に流した
「流し樽」といった風習も
あったのだとか(^^;)
樽を拾った人はこんぴらさんに奉納すると
その奉納した人にもご利益があると
いわれたそうです。
犬や樽。それだけ人の思いを集めた神社
ということなのでしょうね。
今回は「金刀比羅宮」をご紹介しました。
次回は松江と出雲にあるこんぴらさんを
ご紹介します。
最後までお読みくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。
大国主命編 過去のブログはこちら
古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~
古事記と出雲㊳ 大国主命③ ~ オオクニヌシのお父さん 日御碕神社 編 ~
古事記と出雲㊴ 大国主命④ ~ 稲羽の素兎 白兎神社 編 ~
古事記と出雲㊵ 大国主命⑤ ~ 稲羽の素兎 白兎海岸 編 ~
古事記と出雲㊶ 大国主命⑥ ~ ヤガミヒメの故郷 賣沼神社 編 ~
古事記と出雲㊷ 大国主命⑦ ~ オオクニヌシの受難その1 赤猪岩神社 ~
古事記と出雲㊸ 大国主命⑧ ~ オオクニヌシの受難その2 赤猪石・赤猪神社跡(元宮) ~
古事記と出雲㊹ 大国主命⑨ ~ オオクニヌシの甦り 清水井 清水川神社 ~
古事記と出雲㊺ 大国主命⑩ ~ オオクニヌシの受難その3 大石見神社 編 ~
古事記と出雲㊻ 大国主命⑪ ~ 救世主 オオヤビコはスサノヲの御子神? ~
古事記と出雲㊼ 大国主命⑫ ~ イソタケルを祀る「韓国伊太氐神社」の不思議 編 ~
古事記と出雲㊽ 大国主命⑬ ~ オオクニヌシの根の国訪問 スセリヒメとの出会い 編 ~
古事記と出雲㊾ 大国主命⑭ ~ スセリヒメを祀る神社 佐比賣山神社 編 ~
古事記と出雲㊿ 大国主命⑮ ~ スセリヒメ終焉の地 唐王神社 前編 ~
古事記と出雲51 大国主命⑯ ~ スセリヒメ終焉の地 唐王神社 後編 ~
古事記と出雲52 大国主命⑰ ~ 大国主命の使いはウサギ?ネズミ? ~
古事記と出雲53 大国主命⑱ ~ オオクニヌシの琴 琴引山・琴弾山神社 編 ~
古事記と出雲54 大国主命⑲ ~ 八十神討伐。オオクニヌシの築いた城「城名樋(きなび)」編 ~
古事記と出雲55 大国主命⑳ ~ 八十神討伐とその後のオオクニヌシ。 木次神社・三屋神社 編 ~
古事記と出雲56 大国主命㉑ ~ 八十神討伐にまつわる地名 加茂神社(屋代神社)・屋裏八幡宮 ~
古事記と出雲57 大国主命㉒ ~ ヤガミヒメ再登場 御井神社 実巽神社 編 ~
古事記と出雲58 大国主命㉓ ~ コノマタの神は稲羽に里帰り出来なかった? 阿陀萱神社 編 ~
古事記と出雲59 大国主命㉔ ~ 翡翠の女神 ヌナカワヒメ ~
古事記と出雲60 大国主命㉕ ~ スセリヒメ再登場。 オオクニヌシの家系図 阿須伎神社・乙見社 編 ~
古事記と出雲61 大国主命㉖ ~ オオクニヌシの家系図その2 美保神社 編 ~
古事記と出雲62 大国主命㉗ ~ 小さな小さな神様 スクナヒコナ登場 手間天神社、常世神社 編 ~
古事記と出雲63 大国主命㉘ ~ 小さな小さな神様 その2 美保神社の摂社を巡る 編 ~
古事記と出雲64 大国主命㉙ ~ 小さな小さな神様 その3 スクナヒコナのご神徳の考察 編 ~
古事記と出雲65 大国主命㉚ ~ 小さな小さな神様 その4 続・スクナヒコナのご神徳の考察 編 ~
古事記と出雲66 大国主命㉛ ~ 小さな小さな神様 その5 国作りの軌跡 大黒山 兵主神社 編 ~
古事記と出雲67 大国主命㉜ ~ 小さな小さな神様 その6 国作りの軌跡 静之窟 編 ~
古事記と出雲68 大国主命㉝ ~ 小さな小さな神様 その7 日本書紀のスクナヒコナ 編 ~
古事記と出雲69 大国主命㉞ ~ 国作りの新パートナー オオモノヌシ 編 ~