めのうさとえすこな散歩

古事記と出雲70 大国主命㉟ ~ オオモノヌシを祀る神社 金刀比羅宮 編 ~

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みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。

読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。

 

前回はオオクニヌシの
新たな国作りのパートナー、
オオモノヌシ登場の場面と縁の大神神社を
ご紹介しました。

今回もオオモノヌシを祀る神社を紹介します。
まずはコチラの写真を。

出雲大社を参拝されたことがある方は
ご存知だと思います。
「ムスビの御神像」です。
銅鳥居の手前、手水舎の向かい側にある
銅像ですね。
向こうに見える波の上の金色の丸い物体が
幸魂奇魂というわけです。これ。

この像がオオモノヌシ登場の場面の
シーンを表したもの。
像の前の案内板には
「出雲大社の御祭神大國主大神は
この幸魂奇魂をいただいて神性を
養われ「ムスビの大神」となられました。
生きとし生けるものすべてが
幸福になる「縁」を結ぶ”縁結びの神”と
慕われるゆえんであります。

と書かれています。
出雲大社の解釈でしょうか?
むむむ(゜~゜;)  理解するのが難しい。
「神性を養う」・・・・
オオモノヌシを「国作りのパートナー」と
位置付けましたが、オオクニヌシに
足りなかった部分を補った魂なのかも、と
思えてきました。
案内板の表記が「ムスビ」と
敢えてカタカナなのは
「結(ムスビ)」と
「産巣日(ムスビ)」を
掛けているのかもしれません。
「ムスビ(ヒ)」は古事記の二番目三番目に
現れる神さまの名前の中に含まれていて、
「生成(むす) 霊(ひ)」の意味で、
万物を産み出すという事です。
国歌「君が代」の
『苔の~むうぅすうぅ まあああ
でぇ~♬」の
「苔のムスまで」の「ムス」も
「苔が生えるまで」の意味です。

「ムスビの神」とは繋がりをもたらす神であり
生成する神でもあるという事の様に思えます。

 

さて。
この
読み物では前回ご紹介した様に
本居宣長の説にある、
魂には大きく荒魂と和魂の2種があり、
和魂にはさらに幸魂と奇魂の働きがある
としており、四魂としてまとめて
みるようなことはしていない。

という、この考えで
話を進めて行こうと思います。

さらに、日本書紀では「オオモノヌシ」は
「オオクニヌシ」の『別名』とありますが
古事記にある、オオモノヌシ=幸魂奇魂
(さちみたまくしみたま)=和魂
(にぎみたま→穏やかな魂)と考えていきます。

さあ!
オオモノヌシを祀る神社といえば
そう「金毘羅さん」「金比羅さん」と呼ばれる
全国にある「金刀比羅宮」でしょう!
その総本社は讃岐にあります。
金刀比羅宮  香川県仲多度郡琴平町892-1
石段で有名ですね。

奥宮。ここまで1300段以上昇ります。


※2015年6月撮影。

金毘羅船々 追い手に帆かけて♪
シュラシュシュシュ♬
で有名な、あのこんぴらさんです。
ご存知無いですかね ?  /
(^^;)
動揺かと思ったら民謡でした。
お座敷遊びの歌で広まったとWikipediaに
ありますね。
海上交通の守神として有名な神さまです。
エビスさんや宗像三女神と並び、
港や海に近い場所で目にする神様です。

以前、とある神社の宮司さんに
教えて頂いたのですが、
金刀比羅宮の大半はお寺さんが建立した
神仏習合の神社が多いそうです。
先程のWikipediaにも讃岐の金刀比羅宮は
明治初年の神仏分離以前は金毘羅大権現と称し
とあり、習合色がバッチリ出ています。

では なぜこんぴらさんに
オオモノヌシが祀られているのでしょうか??
金刀比羅宮のHPによると
国土経営の際に、金刀比羅宮のある山
「象頭山」にお宮を建立した。
その宮跡にオオモノヌシを祀った(意訳)
とあります。

出雲大社にもその社殿があります。
神楽殿の境内、大駐車場側の
祓戸社の向かって左、船に乗った兎と犬の
石像のある社殿が「金刀比羅宮」です。

そして寄贈された石像。兎と犬。

ずっっと、見た目で猫だと思ってましたが
「こんぴら狗(いぬ)」にちなみ、
金毘羅さんの船、オオクニヌシの兎とを
合わせたモチーフで寄贈されたそうです。
よく見ると、犬と兎は袋を背負っています。
大黒さんにあやかってですかね(^^)b

「こんぴら狗」については金刀比羅宮のHPに
説明がありました。
行けない人や途中行けなくなった人の代わりに
参拝することを「代参」というそうです。
江戸時代などは歩いていくしか無く、
遠国からの参拝を諦める人もいて、初穂料や
旅費を渡し、代参してもらう事も
あったのだそうです。
代参は人だけでは無く、

「飼い犬」に託したりもしたそうです。
犬の首に「こんぴら参り」と書いた袋を下げ
袋には、飼い主を記した木札、初穂料、
道中の食費などが入っていました。
旅人から旅人へ、リレーの様に託された犬は
こんぴらさんで御札を戴き、

また、帰路を人から人へ連れられ帰って
いったのだそうです。
見事、お役目を果たした犬は「こんぴら狗」と
呼ばれたのだとか(^^)
嘘みたいなホントの話です。

かと思えば、海の男で参拝が叶わない
といった場合、願いを込めた樽を海に流した
「流し樽」といった風習も
あったのだとか(^^;)

樽を拾った人はこんぴらさんに奉納すると
その奉納した人にもご利益があると
いわれたそうです。
犬や樽。それだけ人の思いを集めた神社
ということなのでしょうね。

今回は「金刀比羅宮」をご紹介しました。
次回は松江と出雲にあるこんぴらさんを
ご紹介します。

 

最後までお読みくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。

 

大国主命編 過去のブログはこちら

古事記と出雲㊱ 大国主命① ~ その出生地はどこか?~

古事記と出雲㊲ 大国主命② ~ オオクニヌシのお爺さんお婆さん 長浜神社編 ~

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