みなさまこんにちは。
いつもお読みくださり
ありがとうございます。
読み物を更新しました。
しばしお付き合いください。
前回はオオモノヌシを祀る神社として
讃岐の金刀比羅宮と
出雲大社の境内社の金刀比羅宮を
ご紹介しました。
今回はその他にもある出雲の金刀比羅宮を
ご紹介したいと思います。
まずはこちら。金刀比羅宮出雲分社
出雲市斐川町直江町1067−3
「分社」という事は「本社」から
分霊(ぶんれい・わけみたま)を頂いた
神社ということですね。
手水舎には讃岐の金刀比羅宮の
金色のポスターがありました。
讃岐の金刀比羅宮のご祭神は
大物主神と崇徳天皇。
崇徳天皇は讃岐でその生涯を終え
讃岐にゆかりの深い天皇のようです。
こちらの分社の御祭神は
大物主神、崇徳天皇、天御中主神、誉田別命
の四柱の神々。
この土地ならではの変遷がありそうですね。
前出の手水舎は最近新しくなったのか
ピカピカでした♫
近づくとセンサーが感知して、
水が自動で流れてきます。
鉢の中には勾玉がありました。
天然石でしょうか?
ひとつ頂いて手水舎へ。
何も書かれていないおみくじですが
水に浮かべると(。。;)
文字が浮かび上がります。
吉凶より大事なのは「お告げ文」。
ご神託ともいわれます。
なるほど・・・響きました。
忘れないように持ち帰りました。
ですが乾いて白紙に戻ってしまいました(笑)
そしてもう一社。
出雲金刀比羅宮。
こちらは京羅木山という山の中腹にあり
麓の県道に灯籠があり、
その向こうに望むのが京羅木山のようです。
こちらの神社の略記には
永禄五年毛利元就中国山陰道に軍を進めたる時
戦勝を祈りて出雲大社の御分霊をこの地に
冥護鎮座したるを起源とし、
御祭神大物主大神(大国主大神の和魂の神)
は庶民信仰のきわめて身近な目標として
広大無辺のご神徳です。
と書かれています。(永禄五年→1563年)
永禄九年に見事勝利を収めた毛利元就。
この地一帯を治めるため守護神として
元亀二年(1571年)、今の地に社殿を遷した
沿革があるようです。
神仏習合の名残もあり、
手水舎の場所には以前、
鐘楼があったのだそうです。
現在は自然石をくり抜いた手水鉢が
置かれています。
こちらの神社の特筆すべきは随身さん。
立派な随神門の中に1.7mもある坐像があり、
「日本五代随神」と呼ばれているのだとか。
座って1.7mですからかなり
巨躯な随神さんですね!
それにしても興味深いのは
「出雲大社の御分霊をこの地に
冥護鎮座したるを起源とし・・・」
とある事です。
出雲大社から勸請したのに
「オオクニヌシ」ではなく
「オオモノヌシ」なんですね。
なるほど、こんぴらさんのご神紋を
あちこちに見ることは出来るのですが
社殿のご神紋は出雲大社と同じ
「二重亀甲に剣花菱」がありました。
調べてみますと、「丸に金」の御神紋は
讃岐の金刀比羅宮と分社が使う御神紋の様で
「まるきん」と呼ばれるそうです。
また、隷書体と呼ばれる文字の方は
「丸に山長」、通称「まるこん」と
呼ばれるようです。
「まるこん」。讃岐金刀比羅宮HPより転載。
はて?
先週ご紹介した出雲大社の境内社の
金刀比羅宮はどうなっているでしょう??
亀甲に「金」の字の様です。
金刀比羅宮は船や航海安全の神社。
また「金」の文字から金運の神社とも
いわれるそうですが、
前出の出雲金刀比羅宮は
戦勝祈念の神様として由緒があります。
ですが略記には
「庶民信仰のきわめて身近な目標…」
とあります。
私の想像ですが、オオクニヌシは
その別名「八千矛神」の名前から
武神として祀られている神社もあります。
「沢山の矛(鉾→武器)を意味します。
きっと毛利元就はオオクニヌシを武神として
祀られたのでしょうが、戦に勝って以降
平和や安寧を願い、穏やかな魂の「和魂」、
オオモノヌシに御祭神を
替えて祀ったのではないでしょうか?
今回はオオモノヌシを祀る、
出雲の神社をご紹介しました。
最後までお読みくださって
ありがとうございます。
またの更新をお楽しみに。
ご自愛くださいますように。
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